くら寿司がブロンズを獲得した理由
大阪府堺市に本社を構えるくら寿司が、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会主催の「PRアワード2025」でブロンズ賞を受賞しました。この受賞は、くら寿司と株式会社電通PRコンサルティングが共同で進めてきたプロジェクト、すなわち『回転レーンで世界つなぐ―70カ国の料理が巡る、回転すし、魅力最・再訴求万博プロジェクト』に対してのものです。
このプロジェクトでは、2025年に開催される大阪・関西万博において、70カ国の料理を回転レーンで提供するという独自のアプローチが試みられています。回転寿司は1970年の大阪万博で初めて紹介され、日本の食文化として今や広く認識されていますが、最近では回転しない寿司が人気を博しているため、その独自の魅力を再訴求する必要がありました。
世界各地のメニューが楽しめる
くら寿司は、この万博を利用して、回転すしの魅力を広げることを目指しています。特に、万博には出展する70カ国の料理を同時に楽しめる回転レーンを設けることで、世界中の食文化を一堂に体験できるという斬新な試みが注目されます。
実際に、このプロジェクトでは、くら寿司のスタッフが70カ国の料理を食べ歩き、それを基にメニュー開発を行なっています。さらには、各国の大使館とも連携し、試食会を開催。その結果、各国の大使館からは「大使館が認める味」としての信頼性を得ることに成功しました。
メディアへの広がりと受賞の背景
プロジェクトは、ただの飲食体験に留まりません。開幕前の2024年9月からは、メディアキャンペーンが展開され、テレビCMや記者発表会では各国の大使も登壇し、注目を集める予定です。このプロモーション活動によって、開幕前後での情報発信が行われ、テレビやSNS、さらには海外メディアに対する露出が増加。結果として、万博時には30万人以上が来店するという実績を上げました。
このように「回転すしの未来価値」を国内外に再提示することで、和食のグローバルな認知を高め、持続可能な方法での食文化の普及に寄与しています。
結果としてのレガシー
くら寿司のこの取り組みは、単なる一時的なプロジェクトではなく、食文化の架け橋としての役割を果たすと言えます。サステナブルな食材や建材を用いた店舗設計は、実際の運用にも配慮がなされています。また、このプロジェクトを通じて高まった国際的な注目度は、閉幕後にも引き継がれることでしょう。
電通PRコンサルティングは、60年以上の経験をもつPRの専門家として、クライアントの目指すソーシャルイノベーションへの貢献を行ってきました。その実績とともに、今回の受賞は彼らの能力を証明するものでもあります。
このような背景から、くら寿司の万博プロジェクトの受賞は、日本の食文化とパブリックリレーションズの新たな可能性を示すものとして、今後の展開にも目が離せません。