SynspectiveとSpecteeが共同開発した新しい浸水推定手法
最近、SynspectiveとSpecteeはそれぞれの技術を融合させ、浸水範囲の精緻な推定を行う新しい手法を開発しました。この手法は、SAR衛星データとSNS情報を組み合わせることにより、自然災害の多発する現代において、迅速かつ正確な浸水状況把握を可能にします。特に近年の気候変動により、浸水被害はますます深刻化しているため、この取り組みは非常に重要です。
背景
日本を含む世界各地で増加している自然災害は、特に水害のリスクを高めています。災害発生時には人命救助や復旧活動を迅速に行うため、浸水状況を一刻も早く把握する必要があります。Synspectiveは、自社の小型SAR衛星「StriX」を利用し、悪天候や昼夜を問わず地表の広範囲を観測してきましたが、市街地での局所的な浸水状況を把握するのは困難でした。一方、SpecteeはAI技術を駆使しSNS情報からリアルタイムに浸水地点を特定する技術を持っていますが、SNS投稿が少ない地域では限界がありました。
開発した手法の概要
この新たな手法は、SAR衛星データとSNS情報という異なるデータを、標高や土地利用といった地理空間情報を介して統合したものです。
1.
SAR衛星データによる広域浸水範囲の抽出
高頻度で得られるSAR衛星データを自動で解析し、広範囲にわたる浸水範囲を明確にします。
2.
SNS情報からの地点別浸水深の判別
SNS上の画像や動画、テキストを解析し、浸水地点と深さを特定します。
3.
データ統合による精緻化
上記の解析結果を突合させ、地形特性を考慮してさらなる改善を図ります。この過程で、SAR衛星データから得られた情報を基に、河川流域などの地形を精緻に反映した浸水推定を行います。
検証結果
2025年8月には、熊本県天草市での豪雨事例を用いて、両社の協力による検証が実施され、その結果は以下の通りです。
- - SAR衛星データとSNS情報の解析結果が整合した。
- - 市街地でもSNS情報を活用することで浸水範囲が補完された。
- - SARデータを基にしつつ、SNS情報を活用することで、河川からの広域浸水を推定できた。
- - 実際の解析結果が熊本県の調査結果と一致することが確認された。
今後の展望
この新手法により、災害が発生してから比較的早い段階で現実に即した浸水状況を推定することが可能になります。この技術は、自治体の初動対応や避難判断の迅速化、さらには民間企業におけるリスク管理やBCP対応にも寄与するでしょう。今後も両社は、さらなる検証を重ね、安定した高品質の情報提供を目指していきます。
会社概要
株式会社Synspective
自社開発の小型SAR衛星の運用を行い、地球観測を通じたリスク評価とソリューション提供に取り組んでいます。
公式サイト
株式会社Spectee
リアルタイム解析に特化した情報提供で、防災からリスク管理まで幅広く社会に貢献しています。
公式サイト