熊本県とトヨタ自動車が新たに災害対応プロジェクト始動!
熊本県とトヨタ自動車株式会社は、災害発生時の素早い初動対応と復旧支援を目的とした「くまもと通るモン!プロジェクト」を開始しました。今月行われた締結式には、木村敬熊本県知事をはじめ、関係者が出席し、プロジェクトが本格始動することを発表しました。
プロジェクトの背景
昨今、各地で発生する自然災害は、社会に多くの被害を及ぼしています。2016年の熊本地震や2020年の豪雨では、道路インフラが深刻な影響を受け、多くの人々が孤立する事態となりました。こうした経験から、道路の通行状況をリアルタイムで把握し、迅速に必要な支援を行うことの重要性が再認識されています。特に、災害発生直後の通行可否情報は、救助活動や物資の輸送に欠かせない要素です。
このたびのプロジェクトでは、トヨタ自動車が提供する「通れた道マップ」を基に、過去の車両通行データや地図情報を活用し、災害時の対応力を高めることを目指しています。具体的には、災害発生から3時間以内の交通情報を可視化し、さらに過去1時間の情報も即時に提供することが可能になります。
取り組みの内容
このプロジェクトにおいては、熊本県が市町村や関係機関を通じて集めた冠水や倒木によって通行不能となった道路情報を提供し、トヨタ自動車がその情報を基に「通れた道マップ」を更新します。さらに、冠水した道や避難所など、災害時に特に重要な施設の情報も統合し、実用的な防災マップを構築します。この統合マップは、熊本県が主催する防災訓練等で活用され、実証実験を通して災害対応の有効性を検証していく予定です。
活動期間
このプロジェクトは、2025年9月1日から2026年3月31日までの期間で実施されます。目的は、災害発生時の迅速な初動対応を実現するためのデータ活用のモデルを確立することです。
役割分担
- - 熊本県:道路被害の情報提供、災害応急対策活動での活用方法検討、そして防災訓練の機会を提供します。
- - トヨタ自動車:熊本県の情報を「通れた道マップ」に統合し、その有効的な利用方法を検討します。
- - トヨタ・モビリティ基金:プロジェクト全体の支援を行います。
さらなる協力体制
特定非営利活動法人ITS Japanおよび株式会社トヨタマップマスターとも連携し、広域的な活用を目指したアドバイスを受けながらプロジェクトを進めていきます。これにより、災害発生時に「誰一人取り残さない」社会の実現に向け、さらなるデータ活用の可能性を広げていきます。
この新しいプロジェクトは、地域社会の緊急時の安全を高め、豊かな社会づくりに寄与することを目指しています。今後の展開に注目です。