2025年11月度アルバイト平均時給は減少も高水準を維持

株式会社マイナビが発表した「2025年11月度アルバイト・パート平均時給レポート」によると、全国平均時給は1,312円となり、過去数か月間の増加傾向が一段落しました。しかしながら、この数字は引き続き1,300円台を維持しており、長期的な上昇傾向を示しています。特に販売・接客・サービス部門では過去最高額の1,220円に達し、繁忙期を迎える中で需要が増加しています。

地域別の時給動向

全国平均時給の変化だけではなく、地域別に見ると、全てのエリアが前月比で減少していることがわかりました。特に「北海道・東北」では46円、また「甲信越・北陸」では43円の減少が確認されています。一方で、三大都市圏においては平均時給が1,348円で、8円の減少となりましたが、前年同月比では20円の増加を見せています。その中でも、飲食やフード業界が5ヵ月連続で増加傾向にあるのは注目に値します。

熊本県の特異性

今回のレポートでは特に注目すべきは熊本県です。熊本県の2025年11月の平均時給は1,206円で、前年同月比では78円の増加を果たしました。この地域は、最低賃金の引き上げ額が全国でも最も高いことから、その影響を受けて時給が上昇しているようです。しかし、前月比では53円の減少が見られ、注視するべきポイントです。九州エリア全体では、熊本県と大分県が新たに最低賃金改定を予定しており、これらの変更は地域の時給に大きく影響を与えるでしょう。

職種別の時給推移

職種別の動向も明らかになっており、特に建設業を含む工場・倉庫・土木部門は1,508円と、前月比で121円の大幅上昇となっています。また、エステや理美容領域は前年同月比で1.53倍と、顕著な求人増加を示しています。このように、特定の業界での需要が時給の推移にも大きな影響を与えているのです。

今後の展望

2026年の春には最低賃金の引き上げが予定されており、その影響がアルバイト市場にさらなる変化をもたらすことが期待されます。この背景には、非正規雇用に対する賃上げが示されていることもあり、今後のアルバイト平均時給は上昇基調を維持することが予想されます。

さらに、年明け以降も最低賃金の改定と春の賃上げが影響し、より多くの求人が生まれる可能性があります。これにより、時給の底上げが進むことが期待され、熊本県をはじめとする地域においても変化が見られるかもしれません。

まとめ

2025年11月のアルバイト平均時給は下降トレンドにあるものの、依然として高水準を保っており、地域別、職種別での動向が注目されています。特に熊本県のように最低賃金の改定が影響する地域では、その動きを追うことが重要です。今後も引き続き、こういった情報は地域の経済活動を見守る上での貴重なデータとなるでしょう。