松屋フーズ、ラーメン事業拡充へ「松富士」を子会社化した理由

松屋フーズ、ラーメン事業への本格進出を発表

株式会社松屋フーズホールディングスは、関東を中心に展開するラーメンチェーン店の株式会社松富士を完全子会社化することを発表しました。松屋フーズは、これを通じてラーメン市場への本格参入を果たし、さらなるグループの成長を図る方針です。

株式取得の背景

外食市場は現在、個人消費の回復やインバウンド需要の拡大といった好材料と、原材料価格の高騰、人件費やエネルギーコストの上昇といった厳しい条件が交錯しています。松屋フーズは、このような状況の中で「マルチブランドの推進」と「収益構造の高度化」という中長期的な戦略を掲げています。

その一環として、ラーメンの領域を強化することで業態のポートフォリオを拡充し、持続的な企業価値の向上を目指します。

松富士の特長

松富士は、現在全9ブランドで120店舗（2025年11月末時点）を展開し、特に「六厘舎」や「舎鈴」といった旗艦ブランドは高い認知度と顧客支持を獲得しています。

このブランド力は、東京駅や羽田空港などの主要な立地で培われたもので、顧客の来店動機を強化しています。また、商品開発においても各ブランドや客層に最適な提案ができる力を持ち、通販事業も伸長しています。今後は海外進出の可能性も期待されています。

シナジーの創出

松屋フーズが積み重ねてきた新規出店のノウハウやロジスティック網、データ活用、さらには高度な人材育成のノウハウと、松富士の持つ商品・ブランド力を融合させることによって、相互にシナジーを生み出すことが期待されています。

本格的にラーメン業態に進出することによって、顧客との接点を増やし、継続的な成長と収益の向上を目指していきます。

松屋フーズの将来展望

今後も各ブランドの特性を活かした戦略に基づいて、グループ全体の企業価値のさらなる向上を図っていくことが想定されています。松富士の傘下に入ることで、松屋フーズは第3の柱としてラーメン業態を強化し、牛めしやとんかつに次ぐ新たな収益源を確立する狙いがあります。

株式会社松富士の全株式取得を通じて、松屋フーズは国内外のラーメン市場での競争力を高め、さらなる成長を遂げることを目指しています。今後の展開に注目が集まります。