ファミリーマートが全国展開する涙目シールで食品ロス削減に挑戦

食品ロス削減への新たな試み "涙目シール" とは

株式会社ファミリーマートは、食品ロスを減少させる新たな取り組みとして、消費期限が迫ったおむすびや弁当などに使用される値下シールを「涙目シール」に変更することを発表しました。この新たなシールは、2025年3月11日から全国の店舗で導入され、商品購入者に感情的に訴えかけるメッセージを添えています。

「涙目シール」に込められた思い

新しい「涙目シール」は、単に値下げを知らせるだけでなく、食品ロスの悲しみを訴えるメッセージを持っています。このシールには「たすけてください」という言葉が添えられており、買われずに捨てられる食材の心情を表現しています。この取り組みを通じて、消費者がより多くの食品ロスの問題を意識し、ポジティブに値下げ商品を選ぶようになることを期待しています。

デザイン選定には多くの試作品が制作され、消費者モニターからの評価を参考にし、より共感を得られる描写が選ばれました。その結果、「涙目シール」は特に食品ロスへの意識を高めるものと評価され、実証実験でも好意的な反応が多く寄せられました。

全国展開に向けた準備

この取り組みは、まず東海地方（愛知、岐阜、三重、静岡）からスタートします。3月11日から順次、7種類の異なる金額のデザインが導入され、全国に拡大される計画です。各店舗の状況によって導入時期は異なるものの、全体で年間3000トンもの食品ロス削減が期待されています。

美味しさと消費期限の延長

ファミリーマートでは、米飯商品の美味しさを引き出す製造工程の見直しを行い、消費期限を2時間延ばすことにも成功しました。これにより、より新鮮なおむすびや弁当、寿司が提供され、食品ロス削減にも寄与することを目指しています。

環境への取り組み「ファミマecoビジョン2050」

ファミリーマートは「ファミマecoビジョン2050」という環境目標を掲げ、持続可能な社会の実現に向けて様々な取り組みを実施しています。食品ロスを減少させるため、商品のロングライフ化や発注精度の向上、値下げシールシステムの導入など、多岐にわたる施策が進められています。これらの努力により、2023年度には26.3%削減を見込んでいた食品ロスが、実際には28.9%削減となりました。