相知町横枕で広がるネイチャーポジティブの取り組みとその魅力

相知町横枕で広がるネイチャーポジティブの取り組み

相知町横枕で展開される「ネイチャーポジティブ」な挑戦が、地域の自然と住民のふれあいを深めています。NPO法人唐津Farm&Foodを中心に、佐賀県唐津市のこの地では、持続可能な生物多様性の保全を目指し、様々な取り組みが行われています。

自然と地域をつなぐ、相知町横枕の魅力

相知町横枕自然共生区域は、周囲の人々が住むエリアに隣接しながら、生命が息づく美しい里山として機能しています。この地は佐賀県初の自然共生サイトに認定され、地域住民と共に育んできた歴史ある自然を守ることが求められています。実際、5月18日に開催された「春の自然観察会」では、専門家や地域住民、学生たちが参加し、自然とのふれあいを楽しむ機会が設けられました。このイベントでは、田んぼやため池、森、水路を訪れ、アカハライモリやカエルなど、多種多様な生き物との出会いを通じて自然の大切さを再認識しました。観察後には公民館において、自らの発見を参加者でシェアする時間が設けられ、互いに意見を交わすことで人と自然のつながりを実感しました。

地域の取り組みを発信する横枕

さらに、相知町横枕の取り組みは、地域の枠を超えた発信を行っています。5月22日に北九州市で開催されたシンポジウム『ネイチャーポジティブな社会を九州の地から』では、住民代表が登壇し、横枕での保全活動の重要性や世代を超えた協働の取り組みが紹介され、九州各地から参加した関係者との意見交換が行われました。アカデミックな視点も含めた会話が繰り広げられ、地域の努力が全国的な文脈でどう評価され、広がるかの可能性を探る貴重な場となりました。

横枕の魅力を支える美しい文化

この地域の活動は、1926年に柳宗悦が提唱した「民藝運動」にも通じる、「日常の中の美」を重視した理念を体現しています。人々が自然と共に生きる中で培われた文化や価値観が、横枕のネイチャーポジティブを形作っています。実際、地域の人々は日本の伝統的な生活様式を尊重し、自然との共生を「美」として捉え、その魅力を引き出す努力を続けています。

国際的な視点からの発信

このような活動が、国際的な再生型コミュニティネットワーク「ERC（Eco Restoration Communities）」の公式Instagramでも紹介され、地域の取り組みが世界に広がる一助となっています。この動きは、相知町横枕のような小さな里山が持つポテンシャルを再認識させるものであり、「ネイチャーポジティブ」という理念が地域と世界をつなぐ架け橋になることを証明しています。

今後の展望

唐津Farm&Foodは、これからも地域住民や専門家との連携を強化し、自然観察や教育活動を通じて、「ネイチャーポジティブ」な社会づくりを推進していく考えです。このように、相知町横枕の取り組みは、持続可能な未来へ向けての一歩を着実に踏み出しています。私たち一人ひとりが共存の意識を持ち、次世代に受け継いでいくことが求められています。