消費財業界の革新を促す「Mintel Most Innovative 2026」
ロンドンに本社を置く市場調査会社、Mintelが2025年9月25日より、「Mintel Most Innovative 2026(MMI)」の第2回開催の発表を行いました。このアワードは、革新的な新商品を表彰し、消費財業界に新たな基準と大胆な発想をもたらすことを目的としています。
消費者ニーズとイノベーションの現状
消費財業界において、真のイノベーションが必要とされている中、「皆が求める新しい商品」と「実際に市場に出ている新商品」のギャップが広がっています。Mintelのデータによると、2024年に発売された商品は、わずか35%が「新商品」であり、これは1996年の75%から急激に低下しています。
これに対し、消費者特に若い世代は新しい商品を求め、その期待はますます高まっています。しかし、企業側はリスクをとった真のイノベーションから逃げ、安易な改良に頼りがちです。この状況が消費者との間に乖離を生み出しているとも言えるでしょう。
MMIの意義と目的
MMIは、消費財業界における真のイノベーションがどのようなものであるべきかを示す重要な指針となります。前回の受賞企業の例を挙げると、ハーゲンダッツの「Vanilla Bean Cultured Crème」はアイスクリームの枠を超えた乳製品を展開しました。このように、企業が大胆なリスクを取ることで新しい市場を開拓する姿が見受けられます。
また、美容・化粧品部門では、Izzyの「ゼロ・ウェイスト Zero Waste Dew-Bomb Glowy Hydra Milk」が持続可能性を考慮した新たな基準となりました。これらの例は、消費者の期待に応えるだけでなく、業界全体の基準を引き上げるものとなります。
実際の声
前回受賞した企業からは、賞の意義について多くの賞賛の声が寄せられました。花王株式会社の小林氏は、「消費者目線で提案した商品が評価されたことが嬉しい」と述べ、森永乳業の西岡氏も「自分が苦労して作り上げた商品が選ばれたことが嬉しい」と感謝の意を示しました。
グローバルな視点と実体験
MintelのグローバルCEO、マット・ネルソン氏は、「イノベーションは新商品を生み出すだけでなく、消費者との共感を生む重要な要素」と強調しました。このような視点から、MMIは単に賞を与えるだけでなく、カテゴリーを再定義するイノベーションの基準を共に形成する機会を提供します。
2026年のMMIには業界の専門家が審査員として参加し、革新的な価値を見出す手助けを行います。時代の変化を捉え、レガシーに挑戦する企業への応募を募集中です。
参加方法と詳細情報
「Mintel Most Innovative 2026」への応募は、こちらのリンクから確認できます:
MMI2026の詳細。募集カテゴリーは「美容・化粧品」、「家庭用品」、「食品・飲料」の3つです。
このアワードは消費財業界の未来を見据える機会です。変革を起こしたい方々の挑戦を待っています。