エンジニアが新規事業創出に果たす役割と必須知識とは
アルサーガパートナーズ株式会社の代表、小俣泰明氏が登壇した有識者セミナー「エンジニアこそ、新規事業をつくるべき理由」が開催され、エンジニアの新規事業における重要な役割について議論が展開されました。
エンジニアとしての優位性
セミナーの中で、小俣氏はエンジニアが新規事業創出において他の職種に比べて有利である理由を、「料理の素材を知っているから」と表現しました。現代のソフトウェア開発は、完全にゼロから新たなものを作り出すのではなく、既存のフレームワークやオープンソースを効果的に組み合わせることが求められます。これは、優れた料理人が素材の特性や調理法を知っているからこそ、素晴らしい料理を提供できるのと同様です。
エンジニアは、最新の言語や技術トレンドを把握しているため、質の高いプロダクトの企画・開発が可能です。逆に、市場には価値を提供しない技術やサービスも多く混在しており、微細な技術的な問題がユーザーの離反を招くことも理解しておく必要があります。このように、正しい技術の選定が競争優位を築くカギとなります。
顧客視点の重要性
次に、小俣氏が取り上げたテーマは「作りたいもの」と「売れるもの」のズレについてです。「飽和した市場では、ユーザーが『欲しくない』と感じた商品には素直に手を出さなくなる」と指摘し、マーケットインの視点からの開発の必要性を強調しました。つまり、新たな商品やサービスを提供する際には、自分の希望を優先するのではなく、顧客のニーズを第一に考えた設計が不可欠です。
また、自由なカスタマイズが可能であることを強調する反面、あまりに選択肢が多くなると、ユーザーに不必要な負担をかけることもあるため注意が必要だと警鐘を鳴らしました。
失敗から学んだ成功の法則
セッションの中で、小俣氏は過去の失敗体験に基づく貴重な教訓も共有しました。「プロダクトアウトからマーケットインへ」との重要性や、ニーズが実際にどう示されるかを理解することの難しさについても言及しました。新しい市場を作ることは困難であり、既存の市場での変革を目指す方が成功率が高いと話しました。テクノロジーを使った新たな価値を生み出すことが現在の新規事業の成功に繋がると考えています。
AI時代のエンジニア
また、AIの進化に伴い、エンジニアの価値がどのように変わっていくのかという問いについても触れました。AIによるコード生成が進む現代において、エンジニアは「選択をすること」の重要性が一層増しているとしています。具体的には、自社の開発や選択肢に基づく判断能力がAIには代替できない価値であり、企業の競争力を高めるものであると強調しました。
質疑応答での重要なメッセージ
セミナーの最後には、参加者との質疑応答が行われました。小俣氏は、プロダクト開発の初期段階でのユーザー調査の不可欠さと、その難しさについても言及しました。信頼を得るためには、まず心から納得できるプロダクトを作ることが肝要であり、その経験が最終的に技術力を高める資産となると語りました。
新規事業と既存事業のどちらが成長につながるかは分からず、重要なのは自らのアイデアを実行に移せるかどうかだとしました。
最後に、小俣氏は「自らの可能性を信じて、一歩を踏み出すことを恐れず挑戦し続けることが大切」と参加者に呼びかけ、セッションを締めくくりました。アルサーガパートナーズは、こうした挑戦を支援する環境作りに力を入れています。