天草の地域おこし協力隊員が目指すデザイン経営の未来
天草より新たな地域おこし協力隊員の施策が本格的に始まります。近年、地域おこし協力隊員は地方創生の重要な役割を担い、多様な活動を展開していますが、今回特に注目したいのは、細國由梨香(ほそくに ゆりか)さんによる、デザイン経営を通じた地域活性化の取り組みです。
細國さんは、福岡県北九州市出身で、令和6年7月1日に天草市経済部産業政策課に着任しました。彼女の主な業務はデザイン協議会の設立・運営と、天草市主催の「デザインプロデューサー道場」の支援です。デザイン経営とは、企業の価値を高める一つのアプローチとして注目されており、特に「見た目」にとどまらない、戦略的な視点から捉えられています。
移住の背景と地域とのつながり
細國さんは、自然の中で暮らしたいという思いから天草に移住を決意しました。“協力隊”の募集を知ったのも、友人からの情報がきっかけ。自分の思い描くライフスタイルを実現するために、最初から移住ありきで行動を起こしたそうです。特に、米粉と野菜を使ったおやつ作りを行いたいと考えており、その活動を通じて地域とつながる希望を持っているのが印象的です。
地域おこし協力隊として、彼女が特に重視しているのは、地域の人々との対話です。細國さんは、その1年半の活動を振り返り、行政のルールや文化を理解する時間が多かったと語ります。最初は戸惑いもあったものの、地域のキーパーソンとのコミュニケーションを重視し、じっくりと地歩を固めることに力を注いでいます。
デザイン経営の普及活動
細國さんの目標は、まず地域の人々に「デザイン」を身近なものとして理解してもらうことです。彼女は企業とデザイナー、美術作家などをつなげ、コミュニティを作り、さらにはデザイン経営に関するセミナーや研修を企画することで、天草におけるデザインの価値を広めています。また、他地域で成功している事例を学びつつ、天草に合った形に置き換える努力も怠りません。これは単に模倣するだけでなく、地域の特性を反映した形での活用を目指しています。
生活の中の学び
細國さんは地域のイベントにも積極的に参加し、地域住民としての顔も大切にしています。草刈りや運動会などの地域行事に参加することで、住民との距離感を縮め、その中から得られるインスピレーションを大切にしている様子が伺えます。生活の場で得られるヒントは、業務にも大いに役立っていると話しています。
自宅には工房を持ち、米粉と野菜を使った独自のレシピ、「こめころやき」を開発する副業も行っています。地域の恵みを生かした食文化の普及も視野に入れながら、彼女の日常は多彩です。
そして、未来へ
このような豊かな経験を積んでいる細國さんですが、残された任期の中で彼女が成し遂げたいことは、「デザイン」を地域に根づかせること。そのためには、急ごしらえではなく、地域の人と共に育てていく時間が重要だと答える細國さん。自らの楽しみが周りの人々にも影響を与え、地域全体の雰囲気を良くしていくはずだと確信しています。
天草に根付くデザイン経営の土壌を作っている細國さんの活動は、まだ始まったばかりです。しかし、その熱意と地域への思いは確かであり、これからの展望に大きな期待が寄せられています。地域との共生を目指す彼女の姿勢から、多くの人がインスピレーションを受けることでしょう。今後の活動からも目が離せません。