千代田区立九段中等教育学校が生成AI「otomotto」を導入し教育DXを推進

千代田区立九段中等教育学校と生成AIの革新

千代田区立九段中等教育学校は、教育現場におけるデジタルトランスフォーメーション（DX）を進める中で、生成AIツール「otomotto」を導入しました。このプロジェクトは、アルサーガパートナーズ株式会社の支援のもと進行しており、最新の技術を駆使して生徒たちの学びの質を向上させる取り組みです。

教育DXの先端を行く九段中等教育学校

同校は文部科学省からリーディングDXスクールに指定されており、先進的な教育方針を打ち出しています。2023年10月には、教員向けの「ChatGPT勉強会」を通じて、生成AIを活用する方法を探求し、教育現場での実践に結びつけています。これにより、生徒一人ひとりがより効果的な学習機会を得ることが期待されています。

「otomotto」の特徴

「otomotto」は九段中等教育学校の生徒たちのアイデアを元にして開発された、創造的な教育体験を提供するツールです。以下のような特徴があります。

1. 多様な生成AIの活用
OpenAIの「GPT-4o」やGoogleの「Gemini Pro」など複数の大規模言語モデルを使うことで、生徒のニーズに応じた柔軟な対応が可能です。特にチャット機能に加え、画像生成も可能で、多彩な学習スタイルにアプローチしています。

2. マイプロンプト機能
この機能では生徒や教員が独自のプロンプトを作成・共有でき、創造的なコミュニケーションを促進します。良いプロンプトには「いいね」機能を付けることで、互いのアイデアを尊重し合える環境が形成されています。

3. 独自コンテンツフィルター
教育目的に沿わないコンテンツの使用を防ぐためのフィルタリング機能が実装されており、生徒が安全に利用できるよう配慮されています。

4. データ連携機能
教科書データに基づいた出力が可能で、具体的なリクエストにもスムーズに対応できます。

教育の現場に寄り添った開発

アルサーガパートナーズは、ユーザー視点を重視した「アジャイル開発」を採用し、教育現場からのフィードバックを積極的に取り入れています。スクラム開発を取り入れることで、迅速かつ効率的な開発プロセスを実現し、困難な仕様変更にも柔軟に対応しています。

また、エラーメッセージや通知文には生徒の意見を反映し、中学生でも使いやすいインターフェースを設計しました。これにより、生徒が直感的に操作できるだけでなく、教育現場からのサポートを享受しています。

学校と開発チームの協力

定期的な会議を通じて、学校側と開発チームで情報を共有し、認識のズレを防ぎつつ、共通の目標を持っています。この協力体制により、さまざまな意見が開発に反映され、円滑なプロジェクト進行が可能となりました。

今後の展望

現在は生徒向け機能に重点を置いていますが、将来的には教員向けの業務改善機能も追加される予定です。働き方改革にも貢献し、教育現場の効率化に寄与していくことが期待されます。

そして、学校からの声をより一層反映させることで、学びの質を向上させることに尽力していきます。すべてのステークホルダーが「便利だ」と実感できるサービスを目指し、アルサーガパートナーズは進化を続けます。

この取り組みにより、九段中等教育学校は「生成AIのおとも」として、学びを支援する新たな架け橋を築いていくことでしょう。