熊本市の救急医療を支える新たな取り組みが始動

熊本市の救急医療を支える新たな取り組み

熊本市において、救急医療体制の強化を目的としたファンド「メディケア癒やしDX 搬送車両導入ファンド」が、ミュージックセキュリティーズ株式会社によって募集を開始しました。このファンドは、地域の住宅型有料老人ホーム「メディケア癒やしDX 長嶺」が、搬送用の車両を導入するための資金を集めるものです。

現状の課題とファンドの目的

近年、全国的に救急出動件数が増加している中で、熊本市でも令和5年度に45,926件という過去最多の出動件数を記録しました。この急増により、搬送先が見つからず苦慮する事例も増加し、特に軽症者からの不必要な救急要請が本当に緊急な患者への対応を妨げるケースが報告されています。この状況を受け、「メディケア癒やしDX」グループは、救急医療のリソースを効率的に配分し、本当に必要とされている方々に迅速に医療を届けるため、自社で搬送車両を導入することを決定しました。

実施する具体的な取り組み

1. 自社での搬送体制の構築

「メディケア癒やしDX」は、医療機関との連携を強化し、自社の搬送車両を用いて、第二次救急で対応が可能な症例、例えば誤嚥性肺炎や尿路感染症の早期発見と搬送を行う予定です。これにより、限られた救急医療リソースを有効に活用し、重症患者への迅速な対応を実現します。

2. AI技術の導入

独自に開発した「誤嚥性肺炎の早期発見ポイント」に基づき、AIセンサーを活用して体温や呼吸数、脈拍などの状態を常にモニタリングします。これにより、症状の予兆を早期に検知し、必要な対応を事前に行うことができます。

3. 社会的コストの抑制

「メディケア癒やしDX」グループが見込む年間救急搬送件数は522件です。これらすべてを一般の救急車で搬送した場合、約2600万円のコストが発生しますが、自社の搬送車両を使うことで約1300万円の社会的コストを削減できると試算しています。この取り組みは地域医療の持続可能性向上にも寄与します。

今後の展望とファンドの詳細

今後は地域医療のさらなる発展を目指し、他地域への展開や搬送精度の向上を図る方針です。また、このファンドを通じて、地域の医療への関心と理解を深め、社会的課題である救急出動や搬送困難事案の解決を進めていくことが期待されています。

ファンドの募集金額は1,000万円で、一口20,000円からのご出資が可能です。出資者には、搬送車両に名前を刻む特典も設けられており、この新たな取り組みに参加する機会となります。