熊本ロッキーがAIで食品ロス削減に挑む
熊本県のスーパー「ロッキー」が、AI技術と連携した新たな取り組みを開始しました。このプロジェクトは、株式会社シノプスが提供する需要予測型自動発注サービス「sinops-R」を活用した実証実験で、主に食品ロスの削減を目指しています。
取り組みの背景
日本国内では年間約464万トンの食品ロスが発生しており、そのうち約231万トンは事業者から排出されています。食品ロスを根本的に減少させるには、店舗での対策だけでなく、製造プロセスから見直すことが必要です。そのためには、正確な需要予測が鍵を握ります。
近年、スーパーマーケットでは、生鮮食品の仕入れや加工、包装を一元管理するプロセスセンター(PC)の導入が進んでいますが、正確な需要予測ができず、余剰な仕入れが食品ロスの原因となっています。そこで、ロッキーでのこの実証実験は、こうした課題を解決するために立ち上げられました。
実証実験の概要
実施内容
ロッキーでは、総合的な食品ロスの削減を目指すため、精肉部門で二つのアプローチを取り入れました。
1.
製造段階の効率化: 「sinops-R」を活用し、精肉の原材料発注や製造計画の調整を行いました。この結果、製造段階での食品ロスを3.0%削減し、店舗のロス率も1.56ポイント減少。推定金額では約4,400万円のコスト削減が期待されています。
2.
販売段階の値引き業務の効率化: 消費期限に応じたダイナミックプライシングを導入し、店舗の値引き業務を精査しました。この取り組みにより、販売段階ではロス率が1.3ポイント減少し、値引き作業の負担が83.3%削減される見込みです。金額に換算すれば、約9,900万円のコスト削減が期待できるとのことです。
具体的な成果と展望
実証実験を通じて、ロッキーの精肉部門の業務効率が大きく向上しました。製造段階と販売段階の両面で食品ロスの改善が図れたことで、経済的にも大きな効果が見込まれています。今後は、これを基にさらなる食品ロス削減策を検討し、他の部門や店舗への展開を図る予定です。
また、精肉部門での需要予測システムの導入は今後、原料単位での仕入れ量の予測など、さらに進化した形で行われる予定です。
結論
熊本ロッキーのAIを活用した食品ロス削減への挑戦は、地域のスーパーマーケットにとって新たなモデルケースとなることでしょう。持続可能な社会の実現に向けて、他の事業者にも広がる可能性を秘めています。この取り組みが、日本全体の食品ロス削減へとつながることが期待されます。