熊本の南関あげで地域循環型エネルギーを実現する塩山食品の取り組み
熊本県南関町に本社を構える塩山食品株式会社は、地域の名産品である「南関あげ」を製造・販売しています。この企業は、昭和56年からその伝統的な味を守り続け、地元の人々から愛される存在となっていますが、最近では新たな挑戦にも取り組んでいます。それは、環境に配慮したカーボンニュートラルの実現に向けたバイオディーゼル燃料の使用です。
廃食用油を活用したバイオディーゼル燃料
塩山食品は、南関あげを揚げる際に使用した食用油をリサイクルし、バイオエネルギー九州株式会社が製造する「くまエネ」系列の高純度バイオディーゼル燃料に変える取り組みを始めました。これにより、廃食用油はただ捨てられるものではなく、地域のエネルギー循環システムの一部として再利用されるのです。
特に「くまエネ5.0」と呼ばれるバイオディーゼル燃料は、塩山食品の配送トラックに使用され、軽油同等の性能を持ちながら環境負荷を軽減します。こうした取り組みは、カーボンニュートラルの実現に貢献するだけでなく、地域経済の活性化にも寄与しています。
地域社会への貢献と展望
塩山食品は、長年にわたって南関あげだけでなく、廃食用油のリサイクルという形で地域社会へも貢献してきました。具体的には、毎年多くの廃食用油を回収し、バイオエネルギー九州株式会社に供給することで、持続可能なエネルギーの生産に寄与しています。
このような形での廃食用油の利活用は、エネルギー自給率の向上を促し、地域内でのエネルギー循環を実現します。塩山食品は、今後もこの取り組みをさらに拡大し、地域全体の環境意識を高めていくことを目指しています。
熊本の誇るソウルフードの進化
南関あげは、その独特の食感と風味から、多くの人々に愛されています。具体的には、熊本県内のスーパーマーケットや食品小売店で広く販売されており、最近では遠方の客層へ向けてネット通販にも力を入れています。著名人の購入などもあり、全国的にその名が広がっています。
また、塩山食品の直売所「特産品センターなんかんいきいき村」では、南関あげを使用したさまざまな料理を提供し、地域住民や観光客からの好評を得ています。これにより、南関あげの魅力がさらに広がり、地域振興に寄与しています。
まとめ
塩山食品の新しいステップは、南関あげを単なる食べ物から、地域を支える重要な存在へと進化させています。今後の動向が非常に楽しみです。環境への配慮だけではなく、地域社会とともに成長する企業としての姿勢は、他の業界にとってもお手本となるでしょう。皆さんもぜひ、南関あげを味わいながら、塩山食品の取り組みを応援してみてはいかがでしょうか。