熊本の誇り、2025ブルネル賞受賞の819系DENCHAと長崎駅
2025年9月24日、ロンドンで開催されたブルネル賞2025授賞式では、818系DENCHAと長崎駅が栄えある「優秀賞」を受賞しました。この受賞は、熊本エリアにとって大きな誇りであり、地域の持続可能な発展に大いに寄与しています。
819系DENCHA:未来を見据えた次世代電車
819系DENCHAは、JR九州が誇る次世代型電車で、そのデザインには「人と地球の未来に優しい」という理念が息づいています。この電車は、環境に負荷をかけない蓄電池で動くため、架線のない区間でも快適に運行が可能です。
白を基調とした車体に青色が美しく配色され、地球をコンセプトにしたロゴマークも印象的です。車内には温かみのある木材を使用した座席や、熊本の伝統工芸「組子」をモチーフにしたデザインが施されており、乗客に快適で心地よい空間を提供します。また、モダンな柄のファブリックが用いられており、洗練された美しさも感じられます。
長崎駅:海に開かれた唯一無二の駅舎
長崎駅は、在来線と新幹線が共存する、日本で唯一の頭端駅として知られています。そして、そのデザインは、長崎の文化や自然を色濃く反映しています。波佐見焼の陶板や、ハルデスレンガを使用したタイルは、地域の工芸品を象徴し、訪れる人々に「長崎らしさ」を感じさせます。
流線形のプラットホーム屋根は、海や帆をイメージさせるデザインで、明るい空間を演出。光を透過する膜屋根によって、ホーム上の照明が美しい空間を生み出し、長崎の「世界新三大夜景」や長崎夜景の魅力を一層引き立てています。さらに、長崎駅舎のデザインは地元の専門家たちが融合した知恵の結晶であり、県と市が協力して策定したデザイン基本計画に基づいています。
奨励賞も誇らしい嬉野温泉駅
優秀賞に加え、嬉野温泉駅も奨励賞を受賞しました。温泉宿の伝統を用いた和の構成を持つデザインは、逆に温もりとおもてなしの心が宿る駅舎を象徴しています。細い縦格子が温泉宿らしさを醸し出し、深みのある表情は見事です。
交通の未来と地域文化の融合
「36ぷらす3」も奨励賞を受賞しました。九州各地で織りなす地域文化を背景に持つこの列車は、スタイリッシュなデザインと共に、客室に使用された八代市産のイ草や組子によって、まさに「走る九州」を実現しています。観光名所との連携を深め、新たな体験を提供するために地域と鉄道が一体となった象徴とも言えます。
持続可能な未来のために
ブルネル賞受賞は、鉄道デザインの国際的なコンペティションであり、持続可能性や地域文化への配慮が表彰される場です。熊本が誇る819系DENCHAと長崎駅がその名を刻んだことは、地域活性化の新たな指針であり、皆でその素晴らしさを広めていく必要があります。今回の受賞を契機として、地元の魅力を感じながら、訪れる方々に新しい文化や体験を提供できることを願うばかりです。