新たな支援の形としての療育施設
重症心身障がい児(重心児)や医療的ケア児を育てる家庭は、子どもが退院した後、どこで相談すればよいのか不安に感じることが少なくありません。専門的な小児リハビリを支援する事業所が少ない熊本県内においては、その不安は一層深刻です。どこに相談すべきかわからない保護者が多く、気軽に相談できる環境が必要とされています。
株式会社LIGHTSWELL(ライトスウェル)は、その課題に応えるために、熊本市に重症心身障がい児・医療的ケア児のための療育施設「子どもリハビリセンターIllumination」を設立しました。この施設では、退院後も継続的に小児リハビリを行い、医療的なケアに対応できる専門的な支援を提供しています。
Illuminationの特色
Illuminationでは、子ども自身が「やりたい」と思える活動を設計し、個別の身体機能や発達段階に応じた課題を通じて支援を行なっています。他の療育施設とは異なり、子どもたちの自主性を尊重し、自然な形で成長を促すアプローチが特色です。理学療法士や作業療法士が連携し、発達科学に基づいたライフサポートを行うことで、意欲的な学びを支えています。
特に注目すべきは、ゲーミフィケーションの取り入れによる社会性の構築です。子どもたちが楽しくリハビリに取り組めるような環境を整えており、保護者からも高い評価を得ています。これは、楽しく生き生きとしたリハビリを通じて、子どもたちの“できた”を増やしています。
welleap:地域コミュニティによる支援
Illuminationの支援は、事業所を利用する家庭だけにとどまりません。地域の保護者もサポートしようとする「welleap」というコミュニティを運営しています。このプログラムでは、理学療法士や作業療法士が家庭に出向き、保護者の悩みに耳を傾けます。発達についての知識を共有し、支援が必要な段階でも気軽に相談できる場を設けているのです。
「どこに相談すればよいかわからない」と悩む保護者に対して、「ひとりで抱えなくて大丈夫」という安心感を提供します。これは、診断が下される前から親子での支援を繋げる、地域全体のインフラの構築を目指すものです。
2025年度の成果と評価
2025年度には、Illuminationが九州作業療法学会で優秀賞を受賞し、その活動が学問的にも評価される成果を上げました。具体的には、医療的ケアを必要とする子どもが運動会に参加できるよう、地域と連携した支援を行い、保護者からも高い評価を受けています。たとえば、運動会の準備や当日のサポートにおいて、専門職が連携することで「どう参加するか」を設計できる体制を確立しました。
また、住環境に関する「育住」イベントでは、発達を支えるための環境づくりについて啓発することで、家庭でも成長を促す仕組みを提供しました。
未来へ向けた展望
ライトスウェルは、今後も子ども一人ひとりの成長に寄り添い続けます。「受け身の訓練」から「自主的に動く支援」へとシフトし、地域全体での支援ネットワークを強化していく方針です。子どもたちが自分から活動したくなる環境を整え、家族や地域社会が安心して子育てできるようなインフラの構築に貢献していきます。
私たちの目指すのは、ひとりで悩ませない地域の専門家として、2026年以降も積極的な支援体制を拡充し、子どもたちとその家庭がより良い未来を描けるようサポートすることです。