デリカフーズ、農業への新しい一歩
デリカフーズホールディングス株式会社が農業業界に新たな風を吹き込みます。2025年9月に、熊本県玉名市に自社農場「熊本農場」を開設することが発表されました。この農場は、同社が初めて手がける自社農業の試みであり、安全でおいしい野菜を次の世代に残すことを目指しています。
農業参入の背景
最近の異常気象や経済的要因から、日本の農業は多くの課題を抱えています。特に、2024年の猛暑による野菜の供給不足や、キャベツの価格高騰が例として挙げられます。このような背景から、デリカフーズは自身の野菜供給源を確保する必要性を感じ、農業への参入を決断しました。彼らは「未来の子供たちへ安全な食を」という理念の下、生産者や協力会社と共にFarmという新しい事業を始めます。
デリカファームの特化とスタート
新設される「デリカファーム」では、業務加工用野菜の生産に特化します。この業務用野菜は約60%の流通量を占めており、家庭向けの食材とは異なる特性を持っています。具体的には、見た目よりも実用性を重視し、外観が多少乱れていても取引可能です。さらに、大量取引により収入の安定を図れる点も特徴です。
デリカファームでは初年度に赤系トマトと種なしピーマンの生産を開始します。赤系トマトは生食用よりも加工向きで、甘みと旨味が特徴です。種なしピーマンは調理が簡単なため、業務用としての需要が高まっています。これらの作物は、熊本農場での定植作業を経て、11月には初めての収穫が予定されています。
地産地消を目指して
デリカファームの設立は、地産地消の考えに基づいたもので、全国の3万店にデリバリーを行うデリカフーズならではの取り組みです。食料危機が懸念される中、手元に安全で良質な野菜を確保することは重要です。デリカファームは生産者とも協力しながら、持続可能な農業の実現を目指していきます。
持続可能な農業の影響
デリカフーズグループは、今後の食糧危機に備えた取り組みを強化しています。具体的には、冷蔵センターの開設や国産玉葱専用工場の稼働など、供給チェーンの安定化を図るための様々な施策を講じています。また、新規就農者の支援にも力を入れ、農業参入のハードルを低くすることを目指します。
終わりに
デリカファームの立ち上げは、未来の食の安定供給に向けた重要な一歩です。ここ熊本での取り組みが、持続可能な農業と豊かな食文化を育てる基盤となることを期待しましょう。私たち一人ひとりが、食に対する意識を持つことが、未来を支える力につながります。