大切な食材を守る「涙目シール」について
ファミリーマートが導入した「涙目シール」は、食品ロス削減のための新しい取り組みとして注目を集めています。このシールは、ただ単に値下げを示すものではなく、消費者の心に響くメッセージを添えることで、食品の廃棄を減らすためのユニークなコミュニケーションツールとして活用されてきました。
取り組みの背景と経緯
「涙目シール」は、おむすびや弁当など中食商品の値下げ販売に利用されており、シールには「たすけてください」というメッセージと共に、涙目のキャラクターが描かれています。この可愛らしいデザインは、消費者が値下げ商品を購入する際の心理的なハードルを低くし、「大切な食材を救うための購入である」という意識を持たせています。
2024年に行われた実証実験では、従来のシールよりも高い購入率を記録。これにより、全国規模での展開が計画され、2025年3月からは全国のファミリーマート店舗での導入が進んでいます。特に、消費者の中には「これなら恥ずかしさを感じずに購入できる」といった声も多く寄せられました。このように、消費者との共感を生むことで、食品ロス削減をすべての人が気軽に行えるような取り組みが進められています。
効果の検証と成果
全国展開が始まった2025年4月には、都内の特定店舗での効果検証を実施し、4ポイントの購入率アップが確認されています。一部の店舗では10ポイント以上のアップを記録し、多くの消費者がこの取り組みを支持していることが明らかになりました。
また、実際に店舗での廃棄量も前年比で約5%も削減できており、他の施策と併せて食品ロス削減に付与された好影響が実証されています。ファミリーマートでは、2025年の目標として年間約3,000トンの食品ロス削減を目指しています。
フリー素材化でより広がる「涙目シール」
さらに、ファミリーマートでは「涙目シール」のイラストをフリー素材化することを決定しました。この取り組みにより、さまざまな業種の販売店や自治体などもこのデザインを利用し、食品ロス削減の活動に参加できる機会を提供します。新たに追加されるイラストには、パン、肉、魚、ケーキといった多様な種類が含まれています。
公式ウェブサイトにて公開されることになり、各地の商業施設や地域社会でもこの素材を利用して、食品ロス削減の活用が期待されています。「涙目シール」を通じて、消費者、企業、地域社会が一体となって取り組む食品ロス削減運動がますます広がることでしょう。
未来へ向けた挑戦
ファミリーマートは、「ファミマecoビジョン2050」として、2030年に食品ロスを50%削減、2050年には80%削減を目指しています。これに向け、変革の一環として「涙目シール」の全国展開とフリー素材化を進めており、さらなる新しいアイデアに挑戦し続けています。
地域に寄り添うコンビニとして、食品ロス削減を通して持続可能な社会の実現に貢献するファミリーマートの取り組みに、これからも期待が寄せられます。私たちもこの運動に参加し、一緒に食品ロスを減らす活動に取り組んでいきましょう。