化粧品廃液の再生
2025-10-30 11:29:28

再春館製薬所とWatasumi社が化粧品廃液のリサイクル実証実験を開始

化粧品廃液の新たなリサイクルモデル



再春館製薬所と沖縄のWatasumi社が手を組み、化粧品特有の難分解性廃液のエネルギー転換に向けた実証実験を開始しました。この取り組みは、環境負荷を抑えつつ新たなエネルギーを生み出すことを目指しています。

共同実証実験の開始背景


化粧品業界では、製造中に生じるロスが産業廃棄物となり、環境への影響が大きな課題とされています。これに加え、多様な油剤や防腐剤は微生物による分解が非常に難解で、環境への負荷を増大させる一因となっています。特に、再春館製薬所が提供する「ドモホルンリンクル」などの製品は、複雑な組成から放出される廃液が、未処理のまま環境に悪影響を及ぼす可能性があります。

再春館製薬所は「人間も自然の一部」という理念のもと、環境との調和を目指してきました。今回の実証実験は、その理念を具現化する重要なステップとなります。Watasumi社は、OIST発のスタートアップであり、その微生物燃料電池技術を用いることで、難分解性の廃液を効率よく処理し、エネルギーを生成することができると期待されています。

実験の目的と手法


2025年7月から、ラボスケールでのテストが開始されます。実験では、再春館製薬所の主力製品「ドモホルンリンクル」に由来する廃液を使用します。具体的には、製品のBOD/CODを測定された廃液の成分を如何に微生物が分解できるか、そしてエネルギーを効率的に回収できるかを検証します。

この試みは、他の業界においては比較的単純な構成で処理が行われてきた飲料廃水とは異なり、化粧品業界特有の複雑な成分を含むため、非常に挑戦的なプロジェクトです。

これからの展望


この実験から得られる知見は、化粧品廃液という難分解性の有機物をエネルギー源に変えるための重要な一歩となるでしょう。成功すれば、化粧品業界全体が持続可能な方法で運営されるための新しいモデルが提案されることになります。

再春館製薬所のポジティブエイジ統括本部経営責任者、井手芳信氏は、このプロジェクトの開始にあたり、「私たちの理念を実現できることに大きな期待を寄せています」と語っています。また、Watasumi社のCEOであるDavid Simpson氏も、「化粧品廃液の処理は大きな挑戦ですが、成功した際のインパクトは非常に大きい」と強調しています。

企業の紹介


再春館製薬所は1932年に熊本で創業した企業です。主に漢方に基づいた製品を取り扱い、「自然とつながり、人とつながる明日を」という理念を掲げています。また、「自然との共生」や「サステナビリティ」の活動にも力を入れ、熊本地震後の地域復興にも貢献しています。このような取り組みにより、地域社会に深く根ざした企業としての位置づけを確立しています。メイン製品である「ドモホルンリンクル」は、多くの人々に愛され続けており、化粧品業界の中でもその存在感を示しています。

この共同実証実験は、環境問題への積極的なアプローチとして、今後の持続可能な社会の形成に大きく寄与することが期待されます。


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