物流環境大賞奨励賞を受賞した再春館製薬所
熊本県益城町に本社を置く株式会社再春館製薬所は、物流環境に配慮した取り組みが評価され、2023年6月30日に「第26回物流環境大賞」において奨励賞を受賞しました。これを可能にしたのは、佐川急便、西久大運輸倉庫、日本貨物鉄道などの各社との4社協業によるモーダルシフトの実現に他なりません。
モーダルシフトの意義と取り組みの詳細
モーダルシフトとは、運送手段をトラックから鉄道などの大量輸送機関に転換することを指します。この取り組みには、トラック輸送の環境負荷を低減し、長距離輸送の効率を向上させる狙いもあります。特に、近年の物流業界は、トラックドライバー不足や環境規制の強化といった課題が山積みとなっています。
再春館製薬所は、主力商品「ドモホルンリンクル」を発送するための物流モデルの再構築に着手。熊本工場から横浜地区への輸送を、従来の10トントラックを使用するのではなく、鉄道コンテナへのシフトを試みました。具体的には、通常よりも積載効率を上げる工夫をし、2個のコンテナでの輸送を可能にしました。この結果、年間CO₂排出量を78%削減することに成功しました。
4社協業による成功の背景
このプロジェクトでは、各社の専門性を最大限に生かし、効率的な物流モデルを構築しました。再春館製薬所は品質管理および全体の物流戦略を担当し、佐川急便はその広範な輸送ネットワークを活用。JR貨物は鉄道輸送のインフラを提供し、西久大運輸倉庫は鉄道と陸上輸送の接点をつなぎました。
協業によって、定期的に行われる推進協議会では、各社の実績と課題が共有され、改善が続けられています。その結果、輸送品の品質向上やコスト削減などの成果を上げています。
持続可能な物流の未来へ
再春館製薬所は2032年に創業100周年を迎えるにあたり、「ポジティブエイジカンパニー宣言」を新たな指針とし、社会から必要とされ続ける企業を目指す意向です。この宣言は、単なる意志表明に留まらず、環境に優しい持続可能な物流モデルを全国へと展開し、社会的要請に応える重要なことを示しています。
受賞者である福永幸太郎氏は「再春館製薬所単独では成し得なかったこの受賞を、共に支えてくださった皆様と喜びを分かち合いたい」と述べ、さらなる協力を通じた持続可能な取り組みを強調しました。今後も、これらの活動を通じて、より良い未来を築いていく考えです。
再春館製薬所の概要
1943年の創業以来、再春館製薬所は自然の恩恵を最大限活かした製品を提供してきました。特に、漢方の理念を基にした製品開発に力を入れ、「自然・人・社会の循環」を目指す取り組みは多方面にわたり展開されています。今後もその理念を胸に、物流改革に邁進し続けます。
公式サイト
再春館製薬所 公式サイト
受賞を機に、さらなる環境への配慮と地域社会への貢献が期待される再春館製薬所の今後の活躍に注目です。