新たな連携が生み出す持続可能な未来
群馬県のみなかみ町とスターバックス コーヒー ジャパン株式会社が、2025年に向けた新しい連携協定を締結しました。この取り組みは、地域の森林資源を活かして新たな循環型社会を作り出すことを目的としています。「利根川源流から始める豊かな森林と人を育む連携協定」と名付けられたこのプロジェクトでは、森林の多面的機能の回復を目指し、間伐材の効果的な活用が進められます。
日本の森林と持続可能性の課題
ご存知の通り、日本は国土の約70%が森林に覆われた森林大国ですが、最近では木材需要の低迷により里山が荒廃してしまう問題が浮き彫りになっています。この無手入れの森林では、光や水が届かず、下草が育たない状況が広がっており、結果的に生物多様性や水源の保全にも悪影響を及ぼしています。
スターバックスは、1996年の日本初出店以来、地域社会に密接に関わりながら活動を続けてきました。このたび、みなかみ町において森の保全と持続可能な利用を目的とした取り組みを推進するため、連携を結ぶ運びとなりました。特に利根川の源流を擁するみなかみ町と共に、緑豊かな地域作りを目指します。
具体的な取り組み
この協定に基づき、以下のような具体的な取り組みが予定されています。
1.
間伐材の活用 さまざまなサイズの間伐材を店舗の建材に利用し、特に使用が難しいサイズのものを内装材として用いることで、その用途の幅を広げる挑戦を行います。
2.
顔の見える木材活用 使用する木材の産地や活用方法を可視化し、どの森林から伐採されたかを知ることができる仕組みを整備します。これにより、お客様は店舗に訪れることで、利用されている木材の背景を知り、森とのつながりを感じられるようになります。
3.
初の間伐材店舗を目指す 数年以内には、間伐材を活用した店舗の開業を目指します。
4.
CO2吸収量の見積もり 一店舗あたりの間伐材の使用により、約45tのCO2吸収が期待されます。
5.
循環型林業の構築 新しい店舗に必要な建材を調達するために、状況が改善されていない森林から間伐して調達するシステムを構築します。この取り組みを通じて、森林への貢献や人々のつながりを深めます。
まとめ
スターバックスは、コーヒーを通じて人々のつながりを大切にしてきましたが、今回の取り組みは店舗そのものが森林と人との橋渡しとなることを目指します。お客様はみなかみの森の息吹を感じながら、木材由来のストーリーを知ることができるこの新しい体験を楽しむことができます。この「知る、触れる、感じる」という実体験が、地域の資源と日常生活を結びつける新しい試みなのです。
みなかみ町、スターバックス、そしてお客様が一体となり、持続可能な未来に向けた第一歩を踏み出すことを期待しています。